講座の給付金ガイド

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給付の対象になる費用は2つ

公開

「実質◯万円」という広告を検算するには、率をかける元の額が要ります。

その元になる費用は、払ったものすべてではありません。省令が範囲を限定していて、入る項目は2つだけです。

法律は省令に投げている

まず法律の側です。

教育訓練給付金の額は、教育訓練給付金支給対象者が第一項に規定する教育訓練の受講のために支払つた費用(厚生労働省令で定める範囲内のものに限る。)の額(当該教育訓練の受講のために支払つた費用の額であることについて当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により証明がされたものに限る。)に百分の二十以上百分の八十以下の範囲内において厚生労働省令で定める率を乗じて得た額(その額が厚生労働省令で定める額を超えるときは、その定める額)とする。

括弧が3つ入っていて読みにくいのですが、費用について2つの絞り込みがあります。

  1. 厚生労働省令で定める範囲内のものに限る
  2. 実施者による証明がされたものに限る

2つ目があるので、実施者が証明できない支払いは元の額に入りません。自分で買った参考書のレシートを足しても計算に入らない、ということです。

省令が挙げているのは2項目

範囲を定めているのがこの条文です。

法第六十条の二第四項の厚生労働省令で定める費用の範囲は、次の各号に掲げるものとする。

そして各号がこうなっています。

入学料及び受講料(短期訓練受講費の支給を受けているものを除く。)

1号は入学料と受講料です。これが本体になります。

次条第一号に規定する一般教育訓練の受講開始日前一年以内にキャリアコンサルタント(職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第三十条の三に規定するキャリアコンサルタントをいう。以下同じ。)が行うキャリアコンサルティング(同法第二条第五項に規定するキャリアコンサルティングをいう。以下同じ。)を受けた場合は、その費用(その額が二万円を超えるときは、二万円)

2号がキャリアコンサルティングの費用です。上限は2万円と条文に書かれています。

キャリアコンサルティングの費用も戻る

この2号は見落とされやすいところです。受講を決める前にキャリアコンサルタントに相談した場合、その費用も給付の計算に入ります。

条件は2つあります。受講開始日の前1年以内に受けたものであることと、職業能力開発促進法に定めるキャリアコンサルタントが行ったものであることです。

無料の相談であれば費用は発生しないので関係ありませんが、有料で受けた場合は領収書を取っておいてください。2万円を超える部分は入りませんが、2万円までは元の額に足せます。

専門実践と特定一般では、受講開始前にキャリアコンサルティングを受けて職務経歴等記録書を作る工程があります。そこで有料の相談を使ったなら、同じように扱えるかを窓口で確かめてください。

入らないもの

省令が2項目しか挙げていないので、それ以外は入りません。実務でよく出るのは次のあたりです。

受験料は講座の費用ではないので入りません。資格試験に払う手数料は別会計です。通学の交通費、遠方に通う場合の宿泊費も入りません。パソコンや工具など、講座と別に買った機材も対象外です。

補助教材は判断が分かれます。受講に必須で、実施者が受講料と一体で請求しているなら入りますが、任意で買ったものは入りません。領収書が実施者から出ているかどうかが、ひとつの目安になります。

入学金は入りますが、入会金という名目で受講とは別のサービスに対して払っているものは外れることがあります。名目ではなく中身で判断されます。

会社が出した分は入らない

費用は「支給対象者が支払つた費用」です。勤め先が負担した分は、本人が支払ったものではないので入りません。

一部を会社が出し、残りを自分で払った場合は、自分で払った分だけが対象になります。領収書の名義と金額が、そこを分ける材料になります。

会社の補助と給付を二重に受けることはできません。補助が出る制度がある会社なら、どちらが有利かを先に計算してください。補助のほうが手厚いこともあります。

分割で払うときの注意

受講料を分割で払う場合、支払いが年をまたぐことがあります。専門実践のように年間上限がある区分では、どの年に払ったかで上限に当たるかどうかが変わります。

一括で払えるなら一括のほうが計算は単純ですが、分割のほうが手元の資金は楽になります。どちらが得かは受講料の額と区分の上限で決まるので、申し込む前に両方を計算してください。

分割の手数料は受講料そのものではないので、対象から外れます。実施者が受講料と一体で請求している場合でも、内訳に手数料が分かれて書かれていれば、その分は入りません。

途中で減額されたとき

キャンペーンや紹介の割引で受講料が下がった場合、対象になるのは実際に払った額です。定価ではありません。

逆に、後から返金を受けた場合も、返金後の額が対象になります。すでに申請した後で返金があったなら、その旨を窓口に伝えてください。申請の内容と実際の支払いが食い違うと、後で調整が入ります。

領収書の残し方

証明が要る制度なので、支払いの記録がそのまま金額を決めます。

  • 実施者が発行した領収書を、原本で保管する
  • 分割払いなら全部そろえる
  • カードの利用明細だけで済ませない
  • 入学料と受講料の内訳が分かる形で受け取る

原本を提出する場合は、先に写しを取ってください。返ってこないことがあり、2回目の申請や後の確認で困ります。

計算の順序は、対象になる費用を出す、率をかける、上限で切る、です。率と上限は給付の対象は指定された講座だけにまとめました。申請の期限と持ち物は支給申請は修了から1か月以内にあります。

見積もりの段階で内訳をもらう

申し込む前に、実施者から金額の内訳をもらってください。入学料、受講料、教材費、その他の名目で分かれているはずです。

内訳が「一式」でまとまっていると、どこまでが対象かを後から分けられません。支払う前に分けてもらうほうが、申請のときに楽になります。

同じ講座でも、教材費を受講料に含める実施者と、別に請求する実施者があります。総額が同じでも、対象になる額が変わることがあります。

まとめ

  • 率をかける元は、省令が定める範囲内で、かつ実施者が証明した費用だけ
  • 範囲は入学料及び受講料と、キャリアコンサルティングの費用(上限2万円)
  • 受験料・交通費・宿泊費・別に買った機材は入らない
  • 会社が負担した分は入らない。自分で払った分だけ
  • 領収書は原本で保管し、提出前に写しを取る

払った総額ではなく、この2項目の合計に率をかけます。

出典