支給要件期間は3年で数える
講座が指定を受けていても、自分の側の要件を満たさなければ支給されません。
その要件が支給要件期間です。原則は3年以上で、数え方に条文の定めがあります。講座を選ぶ前に確かめられるので、先に見ておくと申し込んでから外れる事態を避けられます。
基準日は受講を開始した日
まず起点です。条文は「基準日」という言葉を定義しています。
当該教育訓練を開始した日(以下この条において「基準日」という。)に一般被保険者(被保険者のうち、高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者以外の者をいう。以下同じ。)又は高年齢被保険者である者
基準日は受講を開始した日で、申し込んだ日ではありません。そしてこの日に被保険者であることが、在職者の場合の条件になります。
離職している場合は別の号があります。
前号に掲げる者以外の者であつて、基準日が当該基準日の直前の一般被保険者又は高年齢被保険者でなくなつた日から厚生労働省令で定める期間内にあるもの
離職してからの期間が省令の定める期間内であれば対象になります。辞めてから時間が経つほど、この線に引っかかる可能性が上がります。
期間の数え方
期間そのものの定義はこうです。
前項の支給要件期間は、教育訓練給付金支給対象者が基準日までの間に同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に被保険者であつたことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であつた期間を通算した期間)とする。
括弧の中が要点です。前に被保険者だったことがあれば、その期間を通算できます。つまり転職を挟んでも、期間はつながります。
いまの会社で2年、前の会社で3年なら、通算して5年です。1社で3年続けていなくても要件を満たせます。
1年空くと切れる
ただし、通算には条件があります。
当該雇用された期間又は当該被保険者であつた期間に係る被保険者となつた日の直前の被保険者でなくなつた日が当該被保険者となつた日前一年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなつた日前の被保険者であつた期間
読みにくい書き方ですが、意味は単純です。前の会社を辞めてから次に入るまでが1年を超えていると、それより前の期間は算入されません。
辞めてから半年で次に入ったなら通算されます。1年半空いていたら、その前の期間は消えて、いまの会社の期間だけで数えることになります。
受給するとリセットされる
もう1つの除外がこれです。
当該基準日前に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、当該給付金に係る基準日前の被保険者であつた期間
前に教育訓練給付を受けていると、その受講を開始した日より前の期間は算入されません。
2回目を考えるときは、前回の受講開始日から数え直しになります。順番の決め方は2回目を受けるには間が要るにまとめました。前回が2年前なら、まだ3年に届いていないことになります。
このため、続けて別の講座を受けるつもりなら、順番が効きます。高い区分を先に使うか、期間が貯まってから使うかで、受け取れる総額が変わります。
初めての場合の扱い
初めて教育訓練給付を受ける場合、原則の3年ではなく1年以上で足りる扱いになる場合があります。ただし条件があるので、自分が当てはまるかは窓口で確かめてください。
「初めて」の判定は前回の受給の有無で決まるので、記憶があいまいなら照会するのが確実です。数年前に受けたことを忘れていて、申請の段階で分かることがあります。
育児休業や病気で休んでいた期間
休業していた期間の扱いは、被保険者であったかどうかで決まります。育児休業や介護休業の間も雇用関係は続いているので、被保険者のままです。つまり支給要件期間には算入されます。
一方、退職して健康保険の任意継続をしている期間は、雇用保険の被保険者ではありません。この期間は算入されず、離職から次の就職までが1年を超えれば、それより前の期間も切れることになります。
長く休んでいた人ほど、自分の記録がどうなっているかを思い込みで判断せず、照会して確かめるほうが安全です。
短時間勤務やパートの場合
雇用保険に加入していれば、勤務時間の長短は支給要件期間の計算に影響しません。加入しているかどうかは給与明細で分かります。雇用保険料が引かれていれば入っています。
引かれていない場合、加入の要件を満たしていない可能性があります。週の所定労働時間と雇用の見込み期間で決まるので、勤め先に確認してください。加入していなければ、その期間は算入されません。
掛け持ちで複数の勤め先がある場合、雇用保険に入れるのは主たる勤務先の1か所です。副業の側の期間は算入されません。
自分の期間の調べ方
雇用保険の加入記録は、住所地を管轄するハローワークで照会できます。会社を通さずに本人が請求できるので、在職中でも確かめられます。
持っていくのは本人確認書類です。雇用保険被保険者証があればなお確実ですが、無くても照会はできます。
講座を申し込む前にこれをやっておくと、順序が崩れません。特に専門実践は受講開始前の手続きがあるので、期間の確認はさらに前に来ます。
会社が手続きをしてくれるわけではない
支給要件期間の確認も、支給の申請も、本人が行います。会社を通す手続きではありません。
在職中に受講する場合でも、勤め先に知らせる義務はありません。逆に、勤め先が費用を負担している講座は、本人が支払った費用ではないのでその分は対象から外れます。会社の補助と給付を二重に受けることはできません。
一部を会社が出し、残りを自分で払った場合は、自分で払った分だけが対象になります。領収書の名義と金額がそこを分ける材料になります。
数え直しが要る場面
- 転職して1年以上空いた
- 前に教育訓練給付を受けた
- 短期の雇用や日雇いを挟んだ(一般被保険者でない期間がある)
このどれかに当たるなら、記憶で計算せずに照会してください。条文の除外はどれも「その前の期間が消える」形なので、思っているより短くなっていることがあります。
区分ごとの率と上限は給付の対象は指定された講座だけに、講座の選び方は講座は指定の有無から確かめるにまとめました。
まとめ
- 起点は受講を開始した日(基準日)。申し込んだ日ではない
- 支給要件期間は原則3年以上。初めての場合は1年以上の扱いになることがある
- 転職を挟んでも通算できる
- ただし1年を超えて空くと、それより前は算入されない
- 前に受給していると、その受講開始日より前は算入されない
- 加入記録はハローワークで本人が照会できる
講座を選ぶ前に照会する。順序はここからです。