講座の給付金ガイド

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専門実践の70%は後から出る

公開

「最大70%」「最大80%」と書かれているのは、専門実践教育訓練の区分です。

ただ、その率が最初から出るわけではありません。受け取れる順序が決まっていて、受講している間に手にできるのは50%までです。

どういう訓練が対象か

厚生労働省は、この区分をこう説明しています。

特に労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練が対象となります。

看護師や保育士などの資格につながる課程、専門職大学院、一定の情報技術関係の資格などが指定されています。

3つある区分のうち、いちばん率が高く、そのぶん期間も長いものが集まっています。区分の全体は給付の対象は指定された講座だけにまとめました。

受講中は50%が6か月ごと

支給の仕方が他の区分と違います。

訓練受講中6か月ごとに支給されます

一般教育訓練や特定一般教育訓練は修了してから一度に支給されますが、専門実践は受講しながら受け取る形です。率は教育訓練経費の50%で、年間の上限は40万円です。

長い課程だと年をまたぐので、上限も年ごとに効きます。2年の課程で年80万円ずつ払うなら、50%の40万円が年間上限にちょうど当たります。

70%は資格と就職が条件

次の段階には条件が2つ付きます。

資格取得等をし、かつ訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、

資格を取ることと、1年以内に雇用保険の被保険者として雇われることの両方です。片方だけでは届きません。

このとき出るのは70%そのものではなく、すでに受け取った50%との差額です。年間上限は56万円になります。

「就職した」だけでは足りず、雇用保険の被保険者であることが要ります。業務委託やフリーランスとして働き始めた場合は、この条件から外れます。

80%は賃金が5%上がった場合

さらに段階があります。

上記の支給の要件を満たしたうえで、訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上上昇した場合は、

受講開始前と比べて5%以上です。上がった額ではなく率で見ます。ここでも出るのは差額で、年間上限は64万円になります。

比べるのは受講開始前の賃金なので、受講前の給与明細を残しておいてください。証明できなければ、上がったことを示せません。

率が法律に書かれていない理由

そもそも率は法律の本文にありません。条文はこうです。

教育訓練給付金の額は、教育訓練給付金支給対象者が第一項に規定する教育訓練の受講のために支払つた費用(厚生労働省令で定める範囲内のものに限る。)の額(当該教育訓練の受講のために支払つた費用の額であることについて当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により証明がされたものに限る。)に百分の二十以上百分の八十以下の範囲内において厚生労働省令で定める率を乗じて得た額(その額が厚生労働省令で定める額を超えるときは、その定める額)とする。

法律にあるのは20%から80%という幅だけで、実際の率は省令が定めます。だから改正で変わります。上の数字は令和6年10月以降に開講する講座の場合です。

申し込む講座の開講時期で適用される率が変わるので、古い記事の数字をそのまま当てにしないでください。

失業中ならもう1つ給付がある

受講中の生活費についても制度があります。

なお、失業状態にある方が初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する場合、受講開始時に45歳未満であるなど一定の要件を満たせば、別途、

教育訓練支援給付金です。条件に注目してください。

条件内容
状態失業状態にある
回数初めて専門実践を受講する
形態通信制・夜間制は除く
年齢受講開始時に45歳未満

通信制と夜間制が外れているので、働きながら通う想定の課程を選ぶとこの給付は付きません。辞めてから通うなら通学制を選ぶことになります。

いくら戻るかを自分で計算する

年間上限が効くので、率だけでは金額が出ません。順序はこうです。

  1. 1年あたりに支払う教育訓練経費を出す
  2. 率をかける
  3. その年の上限で切る
  4. 対象にならない費用を1から抜いておく

たとえば1年間に100万円を払う課程なら、受講中の50%は50万円ですが、年間上限が40万円なので受け取れるのは40万円です。上限のほうが先に効きます。

逆に1年あたり60万円なら50%は30万円で、上限に届かないのでそのまま30万円です。課程の総額ではなく、年ごとに区切って計算してください。

途中でやめたときの扱い

受講中に6か月ごとの支給がある形なので、途中でやめるとその先の支給は止まります。すでに受け取った分の扱いは、やめた時期と理由によって変わるので、続けられなくなりそうな時点でハローワークに相談するのが確実です。

長い課程ほど、仕事や家庭の状況が変わる可能性が上がります。申し込む前に、忙しい月に落とせる分量かを見ておいてください。

受講開始前にやること

専門実践は、申し込む前に手続きがあります。期限は省令にあります。

教育訓練給付金支給対象者であつて、専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとするもの(以下この条において「専門実践教育訓練受講予定者」という。)は、当該専門実践教育訓練を開始する日の十四日前までに、次の各号に掲げる書類及び運転免許証その他の専門実践教育訓練受講予定者が本人であることを確認することができる書類を添えて、又は次の各号に掲げる書類の添付に併せて個人番号カードを提示して教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票を管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。

開始する日の十四日前までです。ここを飛ばすと、修了しても受け取れません。キャリアコンサルティングを受けて職務経歴等記録書(ジョブ・カード)を作る工程が前に入るので、実際には14日よりさらに前から動くことになります。

スクールの申し込みより先にハローワークへ行く、という順序になります。

期限と持ち物は支給申請は修了から1か月以内にまとめました。

講座を選ぶときに見るところ

指定講座は検索システムで確認できます。

現在、教育訓練給付金の対象として厚生労働大臣の指定を受けている講座は、

見るのは講座名と区分、そして指定の期間です。比べ方は講座は指定の有無から確かめるにまとめました。

同じスクールでも、専門実践の指定を受けている講座とそうでない講座があります。

まとめ

  • 専門実践は「中長期的キャリア形成に資する」訓練の区分
  • 受講中は50%を6か月ごと。年間上限40万円
  • 70%は資格取得+1年以内に雇用保険の被保険者として雇用が条件。差額で支給
  • 80%はさらに賃金が5%以上上昇した場合。差額で支給
  • 率は法律では20〜80%の幅だけ。実際の率は省令で、改正で変わる
  • 失業中なら教育訓練支援給付金があるが、通信制・夜間制は対象外
  • 受講開始前にハローワークでの手続きが要る

受講中に手にできるのは50%まで。そこを前提に資金を組んでください。

出典