学びの支度

教育訓練給付金は公務員が対象になるか

配信広告PR。本サイトはアフィリエイト広告(PR)を利用しています。

2026/10/14更新 2026/8/24公開

公務員という肩書だけでは決められません。 教育訓練給付は雇用保険に入っているかが入口です。いま働いている人は加入の記録を確かめ、以前に民間で働いた人は辞めた日と講座を始める日も見ます。給与明細の保険料欄は手掛かりですが、それだけで受け取れるかどうかは決まりません。

どの記録から確認するか
在職中雇用保険の加入記録給与明細だけで判断せず、記録と勤務先の取扱いを照会
前に民間勤務被保険者だった日付終了日・再加入日・受講開始日を並べて要件を確認
学ぶため休みたい別の休業制度自己啓発等休業は教育訓練給付とは対象も給付も別

最終的な受給要件の確認はハローワーク、休業制度は勤務先の人事担当が窓口です。

公的機関の常勤職員で雇用保険の適用外なら、在職中の教育訓練給付は使えません。一方、非常勤など加入している人もいるため、働き方と加入の記録を別々に見ます。

入口は「被保険者かどうか」

教育訓練給付を考えるときは、いま雇用保険に入っているか、辞めてからどれほどたったかを見ます。1つ目の入口は、講座を始めた日に雇用保険の被保険者であること。根拠は雇用保険法60条の2の1項です。

雇用保険法60条の2の1を開く

当該教育訓練を開始した日(以下この条において「基準日」という。)に一般被保険者(被保険者のうち、高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者以外の者をいう。以下同じ。)又は高年齢被保険者である者

2号がもう1つの入口で、被保険者でなくなった日から一定の期間内なら受けられます。

公務員は適用除外の側に置かれている

在職中の公務員は、原則として教育訓練給付を受けられません。国と自治体に雇われている人のうち、辞めたときに受け取るものが失業給付より手厚いと認められる人は、雇用保険の対象外になるためです。

根拠は同じ法律の6条で、この法律を適用しない人を並べた6号です。

6条を開く

国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの

退職時の給付が別にある人は、雇用保険の対象から外れる仕組みです。加入していなければ、その勤務だけをもとに教育訓練給付は受けられません。

ただし「全員」とは書かれていない

条文の末尾は「厚生労働省令で定めるもの」です。公務員というだけで全員を外す書き方ではありません。

実際、非常勤の職員などで雇用保険に入っている場合があります。自分がどちらかは、肩書や給与明細の欄だけで断定できません。給与明細に保険料が引かれていれば手掛かりになります。欄がなくても人事担当に聞き、厚生労働省が案内する加入記録の確認方法に沿ってマイナポータルやハローワークで確認します。保険料が引かれていても、給付を受けられるとは限りません。

公務員でいる期間は、前の会社の期間を消すことがある(雇用保険法60条の2第2項1号)

民間で働いたあとに公務員になった人は、被保険者でなくなってから次に被保険者になるまで1年を超えて空くと、それより前の期間は算入されません。支給要件期間(雇用保険に加入していた期間)を数えるとき、前の期間を足せない場合があります。根拠は雇用保険法60条の2第2項1号です。

雇用保険法60条の2第2項1号を開く

当該雇用された期間又は当該被保険者であつた期間に係る被保険者となつた日の直前の被保険者でなくなつた日が当該被保険者となつた日前一年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなつた日前の被保険者であつた期間

公務員の勤務中も雇用保険の被保険者でなかった場合、その期間は加入期間として数えません。民間勤務からの空白が長い人は、前の期間を単純に足さず、再加入日と直前の資格喪失日を記録で照らしてください。たとえば民間で5年働き、雇用保険に入らない公務員を2年経て再び民間へ戻った場合、最初の5年はこの計算に入らない可能性があります。どの時期に入っていたかで扱いが変わるため、年数だけで決めずハローワークで照会します。

一般教育訓練なら1年で足りる場合がありますが、専門実践は3年が原則です。数え方の全体は教育訓練給付金の条件にまとめました。

国家公務員には別の休業制度がある(自己啓発等休業法3条・5条)

教育訓練給付とは別に、対象となる国家公務員が大学等で学ぶ際、身分を残して2年(特に必要な場合は3年)まで休める自己啓発等休業があります。対象職員や承認には条件があり、誰でも使える制度ではありません。根拠は国家公務員の自己啓発等休業に関する法律です。

全文を開く(132字)

大学等における修学のための休業にあっては二年(大学等における修学の成果をあげるために特に必要な場合として人事院規則で定める場合は、三年)、国際貢献活動のための休業にあっては三年を超えない範囲内の期間に限り、当該職員が自己啓発等休業をすることを承認することができる。

在職期間などの条件と承認の取扱いは、人事院の自己啓発等休業Q&Aと勤務先の規程で確かめてください。承認するかは任命権者が判断します。

ただし、お金は出ません。

自己啓発等休業をしている期間については、給与を支給しない。

休めるが無給という制度です。学ぶためのお金が戻る教育訓練給付とは性質が違います。学費と生活費は自分で用意することになります。

地方公務員にも同じ趣旨の制度が地方公務員法にあり、自治体ごとに条例で定められています。勤め先の人事担当に条例と要綱を確認してください。

公務員を辞めて受講する場合

退職して民間で働き始めれば、そこから被保険者期間が積み上がります。必要な年数がたてば対象になります。

退職してすぐ受講したい場合は、以前に雇用保険の被保険者だった時期と、受講開始日までの期間で判断します。公務員としての退職日だけから、離職後の対象・対象外を決めることはできません。在職と離職での扱いの違いは在職中と離職後で条件が変わるにあります。

教育訓練休暇給付金との違いに注意する

2025年に教育訓練休暇給付金という新しい給付が始まりました。名前が似ていますが、こちらも雇用保険の給付です。

仕事を休んで学ぶ人向けですが、雇用保険に入っていることが前提なので、被保険者でない公務員は同じ理由で対象になりません。自己啓発等休業とは、根拠になる法律も、お金が出るかどうかも別のものです。

教育訓練給付金

  • 雇用保険の被保険者の制度
  • 受講料の一部が戻る

教育訓練休暇給付金

  • 雇用保険の被保険者の制度
  • 休暇中に給付が出る

自己啓発等休業

  • 国家公務員の制度
  • お金は出ない(無給)

違うのは誰の制度か。自己啓発等休業だけが公務員のもので、お金も出ない

名前が並ぶが、根拠になる法律もお金が出るかも別のもの

休暇のほうの給付は教育訓練休暇給付金にまとめました。

名前で選ばず、自分が雇用保険に入っているかで先に分けてください。入っていなければ上の2つは検討の対象から外れ、勤め先の制度を見ることになります。

確実なのはハローワークで照会すること

条文だけでは、自分の加入記録がどうなっているかは分かりません。給与明細は手元に残し、雇用保険の記録を窓口にたずねてください。支給要件照会という手続きがあり、受講する前に「自分は対象になるか」「支給要件期間は何年あるか」を確かめられます。

照会は住んでいる地域のハローワークで受け付けています。受講してから対象外だと分かると費用が戻らないので、申し込む前に照会しておくほうが損をしません。

対象の講座かどうかは別に確かめる必要があります。引き方は教育訓練講座検索システムの0件は指定なしではないにまとめました。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
5件
出典
2件(法令 2)
更新

引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

出典